古川黎明中学校の倍率と予測
古川黎明中学校の2026年の入試の倍率は1.94倍でした。今年は倍率が上昇した為、中学受験を目指すお子様を持つ保護者の皆様は、倍率が気になる方は多いと思います。今回、過去のデータと照らし合わせながら今年がなぜ上昇したのか、そして今後の倍率の予測を分析していきたいと思います。
倍率が急上昇した理由のみ見たい方はこちら
過去のデータが示す倍率の傾向
以下は2013年~2025年の古川黎明中学校の倍率推移を表したグラフになります。このグラフから倍率は緩やかな下降傾向にあるとわかります。

| 年 | 古川黎明中学校 倍率 |
|---|---|
| 2026 | 1.94 |
| 2025 | 1.74 |
| 2024 | 1.86 |
| 2023 | 1.74 |
| 2022 | 1.69 |
| 2021 | 1.92 |
| 2020 | 2.13 |
| 2019 | 2.2 |
| 2018 | 1.94 |
| 2017 | 2.2 |
| 2016 | 2.28 |
| 2015 | 2.54 |
| 2014 | 2.42 |
| 2013 | 2.6 |
倍率を動かす「隠れた要因」
古川黎明中学校の倍率が、何の影響を強く受けているのか分析を行いました。
| 分析方法 | 回帰分析 |
| 説明 | ある結果(今回は倍率)に対して、関連する要因(今回は人口)がどのくらい影響しているかを関数の形で明らかにする統計的な分析手法。 |
古川黎明中学校の生徒の割合が多い大崎市と栗原市に焦点をあてました。この地域の小学6年生の人口が、古川黎明中学校の倍率にどれくらい関係があるのか分析を行いました。分析の結果は下記になります




| 大崎市の小学6年生人口と倍率の関係 | 74% (前年度比+1%) |
| 栗原市の小学6年生人口と倍率の関係 | 84% (前年度比-8%) |
このパーセントは「決定係数」と呼ばれるもので、数字が100%に近いほどその要因が倍率の動きを良く説明できることを意味します。
倍率が急上昇した理由
今回の分析で特筆するべきは、栗原市の決定係数の低下です。本来、過去の統計に従えば、人口減少に伴い倍率は下がるはずでしたが、倍率は跳ね上がりました。これは、統計的を覆す「外部からの力」が働き、本来の傾向であれば受験しなかったはずの「チャレンジ層」が、大量に出願したと考えられます。
そこで、過去の相関モデルに基づき、人口推移から導き出される「本来あるべき倍率(実質倍率)」を算出しました。
| 都市 | 2026年度の倍率 | 本来の倍率(実質倍率) | 乖離 |
|---|---|---|---|
| 大崎市モデル | 1.94 | 1.57 | +0.37 |
| 栗原市モデル | 1.94 | 1.75 | +0.19 |
分析の結果、今年の実質倍率は1.5倍~1.7倍程度(中央値1.66倍)であり、通年のチャレンジ層と今年の増加分のチャレンジ層を合わせると約50名と推測しています(合格への競争は150人で行っていると予想)。この要因の一つとして、当塾が公開した「倍率予想記事」が願書提出までに約250名の保護者様に閲覧されたことも影響していると考えています。入試情報の透明化により、これまで受験を迷っていた潜在的な層が掘り起こされた可能性があります。
しかし、重要なのは「実質倍率は低下傾向にあり、ライバルの質(難易度)は変わっていない」という事実です。
2027年、2028年の入試倍率予測(人口推移換算)
以下は記念受験等を除いた実質倍率(本来の倍率)(※)で考えた予測になります。
小学6年生の人口推移のみで考えた倍率
- 大崎市では人口が2027年減少、2028年微増
- 栗原市では人口が2027年減少、2028年さらに減少
となることから、2027年と2028年の入試における「実質倍率」は今年と同程度かさらに低くなると考えられます(2027年度の方が実質倍率は落ち着くと予想)。
あくまで人口推移からの予想であり、他の要素で倍率が変動する可能性は考えられます。
ただし、「見た目の倍率」は以下の要因で再上昇する可能性があります。
| 仙台青陵中学校からの流入 |
|---|
| 今年、倍率が低下した仙台青陵中は、隔年現象(倍率が下がった翌年は上がる法則)により、来年は難化が予想されます。その結果、安全志向の層が古川黎明中に流れ込んでくる可能性があります。 |
「ボーダーライン層」の動きの為、確固たる実力をつければ、倍率変動はそこまで恐れることはないです。
中高一貫校がスタンダードになりつつある外部環境
分析上、実質倍率は低下していますが、一方で「一般公立中学校での学力二極化」を懸念し、中高一貫校へ舵を切るご家庭が増えています。 私の元にも、保護者様から以下のよう切実な声が届いています。
| 平均点の下方修正 | 5教科合計で100~150点以下の層のボリュームが多い場合がある。 |
| 学習習慣の定着不足 | 学力低下から上位層に食い込むためのハードルが低く、競争心が育ちにくい場合がある。 |
| テストの易化 | 学力低下に伴い再試の頻発や、それに伴う定期テストの難易度が低下している場合がある。 |
詳しくは、進学予定の中学校の現状を、先輩保護者様などに直接聞いてみることを強くお勧めします。このような状況に陥っている原因には、以下の構造的な問題が関係しています。
| 少子化による競争原理の低下 | 高校入試の倍率低下により、「勉強しなくてもどこかには入れる」という空気が蔓延している。 |
| 社会構造の変化 | 人手不足による「売り手市場」が、学力向上のモチベーションを削いでいる。 |
しかし、これから子供たちが向かう社会は、AIや高度なテクノロジーを使いこなすことが前提の世界です。技術革新は生活を便利にしますが、仕事で求められる知的密度は、私たち親世代よりもはるかに高くなります。 その為、小学校の三者面談で、一定以上の学力がある子に中高一貫校が推奨されるケースが増えてきています。
受験環境の変化と偏差値の壁、過去問の壁
こうした環境変化に伴い、塾業界の対応も変化すると考えています。 当塾の記事「中学受験で成績が伸びない原因は努力不足ではない」でも触れましたが、今後は「中学受験コースの受け入れ難易度の上昇」「成績が伸び悩むCD判定の早期の志望校変更の打診」が加速すると予想されます。
これは、従来の指導法では「偏差値は1年かけて5上がれば良い方」という通説があるためです。もし現時点で志望校との偏差値差が5以上ある場合、1年以上前から準備をするか、画期的な学習法を取り入れる必要が出てきます。
偏差値は集団における相対評価の為、倍率が高く高偏差値帯での競争となる中学受験では偏差値が上りにくい傾向があります。
また、模試の偏差値はクリアしていても、「過去問の壁」に阻まれるケースも発生します。 公立中高一貫校の適性検査は、複数科目の知識を横断して使う特殊な能力が求められます。「模試はA判定だったのに、過去問が解けずに不合格」という実態は、決して珍しくありません。
東北大学の魅力が古川黎明中学校に与える影響
近年、古川黎明高校は東北大学への進学実績を伸ばしており、この点が今後の古川黎明中学校の倍率に影響を与える可能性があります。東北大学への進学率は古川高校よりも高くなっています。
◆東北大学について
東北大学の偏差値は59~70になります。文学部、法学部、経済学部、教育学部、工学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、農学部があります。
注目すべきポイントは、運営交付金ランキングで3位になっていることです。
| 順位 | 大学 | 運営交付金 |
|---|---|---|
| 1 | 東京大学 | 721億円 |
| 2 | 京都大学 | 498億円 |
| 3 | 東北大学 | 407億円 |
| 4 | 大阪大学 | 398億円 |
| 5 | 東海大学国立機構 | 377億円 |
さらに、政府の出資の10兆円規模のファンドから、2024年度から100億円程度の出資が行われることも大きなポイントです。配分期間は最長で25年継続される予定です。(東北大学は2025年度はファンドから150億円の予算を受けました。運営交付金は557億円となりランキングでは2位になります。)
理系の研究は材料費や装置などに特にお金がかかります。
私は高専で材料系の研究室に所属し研究を行っていましたが、XRD(X線解析)や実験に用いる金属材料などにかなりの費用がかかっていました。(4年生までに学外単位を多く取得していた為、5年生で取得する授業数を少なくし、5年生のほとんどを研究室で過ごしました。)
後日、教授から聞いた話では、私一人で1年間で300万~500万円程資金を使っていました。XRD(X線解析)は頻繁に使っていたので、価格を卒論間近に聞いて驚愕したのを覚えています。試薬の中には、10gの小瓶で10万円するものもあり、エタノールは純度も小数点以下6桁~9桁まである高純度の高価なものを大量に使用していました。
その為、研究予算が潤沢であるかどうかは、その後の研究生活を左右する非常に重要な要素になります。
今後の古川黎明中学校の倍率は、県北地域の人口推移(特に栗原市)、学力の二極化の進行度、そして古川黎明高校の大学進学実績(特に東北大学への進学実績)によって変動すると考えられます。
少子化により人口は減っていくので、減少傾向が続くと予想します。もし、倍率が上った場合は他の要素の影響と考えられます。
古川黎明中学校の倍率が気になる方は、是非参考にしていただけたらと思います。








