古川黎明中学校の倍率と予測

古川黎明中学校の2025年度の倍率は1.74倍でした。中学受験を目指すお子様を持つ保護者の皆様は、倍率が気になる方は多いと思います。今回、過去のデータを分析し倍率をある程度予測できる指標を発見しました

過去のデータが示す倍率の傾向

以下は2013年~2025年の古川黎明中学校の倍率推移を表したグラフになります。このグラフから倍率は緩やかな下降傾向にあるとわかります。

年度古川黎明中学校 倍率
20251.74
20241.86
20231.74
20221.69
20211.92
20202.13
20192.2
20181.94
20172.2
20162.28
20152.54
20142.42
20132.6

倍率を動かす「隠れた要因」

では、この古川黎明中学校の倍率が、何の影響を強く受けているのか分析を行いました。

分析方法回帰分析
説明ある結果(今回は倍率)に対して、関連する要因(今回は人口)がどのくらい影響しているかを関数の形で明らかにする統計的な分析手法。

今回、古川黎明中学校の生徒の割合が多い大崎市と栗原市に焦点をあてました。この地域の小学6年生の人口が、古川黎明中学校の倍率にどれくらい関係があるのか分析を行いました。分析の結果は下記になります。

大崎市の小学6年生人口と倍率の関係73%
栗原市の小学6年生人口と倍率の関係92%

このパーセントは「決定係数」と呼ばれるもので、数字が100%に近いほどその要因が倍率の動きを良く説明できることを意味します。

つまり、古川黎明中学校の倍率の上がり下がりは、栗原市の小学6年生の人口の増減で92%説明できることを意味しています。(大崎市の小学6年生の人口の増減では73%説明が出来ることになります)

現に2018年の倍率は前後の年と比べると倍率が低くなっていますが、この年の栗原市の6年生の人口が前後の年と比べると1割ほど少なくなっています。これは、12年前の2005年に過去最低の出生率を記録した影響と考えられます。仙台二華中、仙台青陵中ともにこの付近の年で倍率が大きく低下しています。

この分析結果から、古川黎明中学校の生徒の約3割を占める栗原市の小学6年生人口が大きく倍率に影響を及ぼしていると言えます。

2026年、2027年の倍率予測

小学6年生の人口推移のみで考えた場合、

  • 大崎市では2027年
  • 栗原市では2026年、2027年

に人口がそれぞれ1割ほど少なくなることが予想されています。

その為、2026年と2027年は例年と比べ倍率が落ち着く可能性が考えられます。
あくまで人口推移からの予想であり、他の要素で倍率が変動する可能性は考えられます。

もちろん、倍率が落ち着く可能性もありますが、油断することなくしっかりと対策を進めることが重要です。

倍率を左右するその他の要因

ちなみに、2022年の倍率の低下はコロナウィルス(2020.1~)による学習意欲の低下と経済の低迷が影響していると考えられます。仙台二華中も2021年に倍率が大きく低下しています。

倍率は景気や学校の人気にも左右されます。

東北大学の魅力が古川黎明中学校に与える影響

近年、古川黎明高校は東北大学への進学実績を伸ばしており、この点が今後の古川黎明中学校の倍率に影響を与える可能性があります。東北大学への進学率は古川高校よりも高くなっています

◆東北大学について
東北大学の偏差値は59~70になります。文学部、法学部、経済学部、教育学部、工学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、農学部があります。

注目すべきポイントは、運営交付金ランキングで3位になっていることです。

順位大学運営交付金
1東京大学721億円
2京都大学498億円
3東北大学407億円
4大阪大学398億円
5東海大学国立機構377億円

さらに、政府の出資の10兆円規模のファンドから、2024年度から100億円程度の出資が行われることも大きなポイントです。配分期間は最長で25年継続される予定です。(東北大学は2025年度はファンドから150億円の予算を受けました。運営交付金は557億円となりランキングでは2位になります。)

理系の研究は材料費や装置などに特にお金がかかります

私は高専で材料系の研究室に所属し研究を行っていましたが、XRD(X線解析)や実験に用いる金属材料などにかなりの費用がかかっていました。(4年生までに学外単位を多く取得していた為、5年生で取得する授業数を少なくし、5年生のほとんどを研究室で過ごしました。)

後日、教授から聞いた話では、私一人で1年間で300万~500万円程資金を使っていました。XRD(X線解析)は頻繁に使っていたので、価格を卒論間近に聞いて驚愕したのを覚えています。試薬の中には、10gの小瓶で10万円するものもあり、エタノールは純度も小数点以下6桁~9桁まである高純度の高価なものを大量に使用していました。

その為、研究予算が潤沢であるかどうかは、その後の研究生活を左右する非常に重要な要素になります。

今後の古川黎明中学校の倍率は、県北地域の人口推移(特に栗原市)、景気動向、そして古川黎明高校の大学進学実績(特に東北大学への進学実績)によって変動すると考えられます。

少子化により人口は減っていくので、減少傾向が続くと予想します。もし、倍率が上った場合は他の要素の影響と考えられます。

古川黎明中学校の倍率が気になる方は、是非参考にしていただけたらと思います。