成績が伸びない原因は努力不足ではない|勉強・学習環境の問題

中学受験で成績が伸び悩む原因は、お子様の努力が足らないと思い込んでいませんか。これは違う可能性があります。塾業界の構造的問題による可能性があります。本記事はその内容をまとめましたので、該当していないか確認をお勧めいたします。

本記事は、特定の個人・法人を誹謗中傷するものではなく、中学受験業界の構造的な問題提起を目的としています

合格実績の過度な強調

中学受験において、塾選びの指標は合格者の声や合格実績に偏重しやすい環境にあります。保護者は、その華やかな成功事例のみを重視しがちです。その結果、お子様が「不合格者の枠組み」に入る可能性という最も重要な情報が、華やかな実績の裏に隠されてしまうことがあります。成功例の裏側にも目を向ける必要があります

受験の構造的な問題点(囲い込みと依存)

中学受験を経験した保護者が少ないため、中学受験を希望しているお子様がいる家庭は塾への「依存度」が高まりがちです。合格ボーダーライン上の戦いでは、塾の収益性を優先した判断により、合格が難しいという事実が受験ギリギリまで保護者様に伝えられない可能性があります。この「囲い込み」という構造的な問題によって、戦略転換のタイミングを逃し、お子様の学習における最適な選択肢が奪われてしまうことが最大の問題です。

合格率のカラクリと「偏差値上昇実績」の重要性

塾が合格率を簡単に維持する方法の一つは、元々地頭の良い生徒を多数囲い込むことです。中学受験、特に適性検査型試験においては、応用問題を効率的に解くための「地頭」が合否に直結します
「地頭が良い」とは、計算力や記憶力とは別に発想力や思考力、コミュニケーション能力にも長けているということになります。

そのため、塾の指導力を判断する上で最も隠蔽が難しい指標は、「偏差値をどれくらい上昇させたか(偏差値上昇実績)」です。地頭の良い生徒が多数在籍する塾は、合否ギリギリの生徒を受け入れたとしても合格率を維持できるため、この偏差値上昇実績こそが真の指導力の証明になると考えます。

【当塾の透明性への取り組み】
当塾は、指導の透明性を証明するため、偏差値上昇値だけでなく「どの判定まで上がったか」を併記し、公表しています。 生徒は自分の努力の結果を誇りたいため、ほとんどの場合快く許可がもらえます。この「到達判定」こそが、真の指導力の指標だと考えます
生徒には許可を得て個人情報は伏せて、実績を公表しています。許可が片方のみの場合は、偏差値上昇値もしくは到達判定のみ公表しています。

「適性検査型」と「教科型」入試の指導の混同

公立中高一貫校の適性検査において、指導方法が旧態依然としているという問題があります。多くの塾の指導法が、教科知識の詰め込みに偏重しているため、適性検査型の指導に適合していない場合があります。その結果、「論理的思考力」が問われる問題も、パターン記憶に終始する可能性があります。お子様の成績不振を「地頭のせい」だと片付けられていませんか? 実際には、問題文の要求に合わせた脳の処理方法が指導されていない、指導側の問題である可能性があります。その場合、お子様は現在の指導方針によって大切な学習時間を浪費している可能性があります。

塾講師による合格率の試算と誠実な対応

都心部の最難関校でない限り、倍率が2倍程度の学校であれば、経験豊富な講師は生徒の成績上昇率から合格の可能性をある程度試算できます

誠実な塾の対応生徒優先の塾であれば、見込みのない生徒を受け入れないはずです。成績が上がらなければ志望校の変更を打診します。
指導効果が不明瞭な対応成績上昇率が悪いにも関わらず、指導方法の根本的な改善に着手できず場当たり的な対応に終始する場合、それは生徒優先ではなく、塾の収益性を優先した対応である可能性があります

模試の点数と過去問の点数の意味

塾によっては模試の点数でA判定が出れば「最低限の責任は果たした」と見なすこともあります。しかし、模試の点数はスポーツでいうところの基礎体力を示すに過ぎず、それだけでは不十分です。特に本番形式の過去問で合格点に達しなければ、実戦的な意味がありません

過去問点数アップに潜む危険性過去問の点数を簡単に上げる方法として、何度も繰り返すことがありますが、これは単なる答えの記憶であり、初見の応用問題には対応できない可能性が高いです(対応できるかは地頭による)。傾向に慣れる効果は見込めます。
指導改善の必要性過去問を2~3年度分、時間を測って解き、点数が横這い又は上昇が見込めない場合は、指導方法の根本的な改善が必要であるサインです。

本来あるべき指導の姿

生徒にとって最も有意義な中学受験指導とは、以下の原則に基づいていると考えます。

適切な受け入れその塾の指導で合格が可能な学力レベルの生徒のみを受け入れる。
流動性の確保年に数回、成績向上の節目を定め、学力アップ率から合格が難しいと判断した場合、無理な囲い込みは行わず、志望校や指導方法の変更、といった生徒の成長に最も資する選択肢を含む流動性を促す。
比較指標の存在塾の指導内容が子どもに合っているか、塾の指導以外で客観的に確認できる手段を保護者が持っている。(模試は県単位で種類数が少ない可能性があるので。過去問などの外部データでの指標などが確実です。過去問は受験生全員が解くものなので指標としての公平性が高いです。
過去問の早期確認遅くとも入試の3ヶ月~2ヶ月前には過去問を2~3年分解き、指導内容に問題がないかを早期に確認する。意図的に遅らせる場合もありますが、その時は単元知識が固まっていると思われるので、数年分で点数が安定的に上昇する傾向にあるべきです。

【最後に】私がこの記事を公開した理由

私がこの記事で中学受験の構造的な問題点を指摘し、独自の診断システムを開発・公開するに至った背景には、過去の指導経験から得た強い問題意識があります。かつて、何人かの生徒に中学受験で本来の力を十分に引き出しきれずに、目標を達成できなかった経験を話されたことがありました。
中学受験で私は直接彼らとは関わっていません。

「あの時、もっと深く指導してもらいたかった」「もっとちゃんと関わって欲しかった」「熱血の先生がうらやましかった」という、指導者として胸を締め付けられるような言葉を聞きました。

当時の彼らは、受験失敗が原因と思われる学習の癖や思考の固着が見られました。その言葉を聞いて、私は「生徒が持つ可能性が、大人の都合や不適切な指導によって曲げられてしまったのではないか」という強い問題意識を持ちました。幸い、その後の指導で彼らは学習の癖はなくなり、最終的に高い目標を達成しましたが、心の中に残った「やりきれなかった思い」の大きさを痛感しました。 中学受験は高倍率であるため、全員が合格することはできません。しかし、たとえ不合格であったとしても、やりきれたという思いは、必ずその後の人生や成長に大きな影響を与えます。 私は、大人の都合(収益性や囲い込み)で子供たちの可能性を曲げてはならないと考えています。子供たちの輝かしい未来のためにも、中学受験が健全な競争であり、すべての受験生が「やりきった」と思える環境であることを心から願っています

古川黎明中学校_過去問伸びない