算数におけるパターンの蓄積

文章問題や応用問題の正解率を上げるには、本当に理解しているかどうかが重要になります。

算数はまず公式や規則性を覚えることから始まります。そこで、多くの計算問題を解きパターンを記憶します。応用問題では今まで学んできたパターンをどう組み合わせるのかを思考し答えに行きつきます。思考力の形成にはパターンの蓄積が必要です。

学習ステージと目的・手段の入れ替わり

今までの流れを整えると

レベル目的手段
計算を解く公式や規則を覚える
様々な計算を解けるようにする多くの計算パターンを覚える
文章問題を解けるようにする様々な計算の組み合わせやパターンを覚える
応用問題を解くための思考力を養う文章問題で記憶したパターンから共通項や重要なポイントを見つける

学習のステージが上るとよく手段と目的は入れ替わります。

レベル1の時の目的がレベル2では手段に変わったり、レベル2の目的がレベル3の手段に変わったりと入れ替わりを繰り返します。

思考力と記憶力の関係

ここで重要なことは、思考力を養うには記憶力だけではどうにもできないということです。

応用問題はこれに気付かなければずっとパターンを記憶しようとしてしまい、思考を鍛えることにはなりません。そして、思考力を鍛えるということは今までとは違う神経回路を使わなければならず、人によっては苦痛が伴います。

パターン記憶の限界

楽なパターンの記憶から抜け出せなくなると、入試や模試レベルの応用問題が解けず算数が嫌いになっていきます。

数学は答えが1つの為、ある程度のレベルであれば記憶力でカバーでき、何度かやれば解けるようになります。

パターン記憶から抜け出しにくい環境

また、使うテキストは大抵決まっていて、問題にも限りがあります。その為、記憶力が優れている生徒にしてみれば、簡単な途中式も暗記することで正解率を上げてしまいます。

そして、通常のノートやテキストベースの授業では、パターンで解こうが思考で解こうが出来栄えはほぼ変わりません。口頭でのやり取りでも、詳しく書いてある答えを暗記してしまえば事足ります。

では、多くの種類の問題を解かせればいいのか?パターン記憶から抜け出せていない場合は正解率が思うようには上がりません。この場合、同じ種類の問題が出れば解けますが、膨大なパターンを記憶するのに時間を多くとられることになり効率的ではありません。

算数を生徒に本当に理解させるには、生徒の脳の使い方まで探る必要があります。

当塾での思考力UPへのアプローチ

当塾では算数の応用問題(適正問題)は最終的に本当の理解に行きつかなければ終わらない課題を出します。端的に言うと、「思考する神経回路を使わないと完了できない課題」を出します。

生徒には「私と同じ目線になれば問題を解くのは簡単だよね」と話していて、問題を見た瞬間に解き方も同時に浮かぶくらいのレベルになることを目指します。

脳のどの領域を使って問題を解いたかは、外部からは非常にわかりにくい案件です。

しかし、初見の応用問題を解くためには算数の本当の理解が必要になり、使う部分を思考に限定しトレーニングする必要があります。脳の神経回路は使えば使うほど発達していくため、思考回路が発達すれば数学的な理解が早くなり学習効率がアップします。

その為、パターン記憶から抜け出すことが非常に重要になります。

もしも、お子様の算数力に伸び悩みを感じる保護者様がいましたら、ぜひ参考にしていただければと思います。